応募フォームの「実績が分かるURL」という欄を見て、手が止まる。書いた文章はあるのに、仕事として頼めることが伝わるか分からない。そんなとき、最初に必要なのは、実績の数を増やして見せることよりも、一つの記事を丁寧に紹介することです。
この記事では、自主制作の記事を用意するところから、執筆サンプルの説明、無料での公開、応募時の伝え方までを順に紹介します。
Webライターのポートフォリオには何を書く?
まずは「どんな文章を書ける人か」「どこまで依頼できるか」「実際の文章はどこで読めるか」が分かる構成にします。
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| 掲載する内容 | 読み手が確かめられること |
|---|---|
| 名前・活動名、短い自己紹介 | 誰が書いた記事なのか |
| 得意な題材や関連する経験 | 依頼したいテーマとの接点 |
| 執筆サンプルと説明 | 文章の読みやすさ、構成、考え方 |
| 対応できる作業 | 構成作成、執筆、修正などの担当範囲 |
| 相談先と対応条件 | どこから、何を伝えて相談するか |
たとえば「ライティング全般に対応」だけでは、構成から頼めるのか、用意された構成に沿って書くのかが分かりません。「構成が決まっている記事の執筆に対応しています。構成作成は内容を確認して相談します」のように、現在できる範囲を言葉にします。
職歴も、長く並べる必要はありません。接客で説明を工夫した経験や、日頃から記録している趣味など、書く題材につながる事実を選びましょう。経験したことと、これから挑戦したいことは分けて書きます。
実績なしなら、自主制作の記事を一つ仕上げる
公開できる受注記事がない場合は、自分で題材を決めた執筆サンプルを用意します。自主制作であることを明記すれば、取引先の実績と混同させずに文章を見てもらえます。
題材より先に、読み終えた後の行動を決める
「読書について書く」だけでは、読者も記事の範囲も広すぎます。「初めて読書会に参加する人が、当日の準備をできるようにする」と決めると、必要な情報を選びやすくなります。
次の順番で、書き始める前のメモを作ってみてください。
- 読者が今困っていることを、一文にする。
- 読了後にできるようになってほしいことを決める。
- その行動に必要な見出しを並べる。
- 事実として説明する内容の確認先を調べる。
- 書いた後、見出しと本文が約束どおりの内容か読み返す。
参加条件や持ち物が主催者によって異なる題材なら、その違いも本文で説明します。確認していない条件を一般的なルールとして書かないことが、文章の信頼につながります。
記事の一部だけでなく、全体を読める状態にする
ポートフォリオに短い抜粋だけを載せる場合も、完成した記事を確認できるリンクを添えます。記事の公開先で閲覧制限がかかっていると、応募先が内容を読めません。共有前に、ログアウトした状態でリンクを開いて確認しましょう。
自主制作の題材選びから整理したい方は、未経験からポートフォリオを作る方法も参考にしてください。
執筆サンプルの説明例|意図と担当範囲を添える
記事タイトルとURLだけでなく、想定読者、担当した作業、構成の意図を短く添えます。以下は、本記事のために作成した説明用の例です。実際の受注案件や利用者の実績ではありません。
作品の目的と、自分が担当した作業を紹介する
たとえば「初めての読書会で話すことに迷ったら|参加前に用意するメモ」という記事を作ったとします。作品の紹介文では、まず「初参加で感想を話せるか不安な人に向けた、自主制作の記事です」と伝えます。タイトルだけでは見えにくい読者像と、制作の背景が分かるようになります。
続けて「題材選びから構成作成、執筆、読み直しまで担当しました」と、自分が行った作業を書きます。構成の工夫は「参加前の確認、感想メモ、当日の伝え方の順に並べ、準備する順番に沿って読めるようにしました」と説明できます。こうして目的と作業をつなげると、依頼する人が制作の進め方を想像しやすくなります。
記事の本文も見せて、紹介文の説明を確かめてもらう
作品の紹介文は、何を考えて制作したかを伝える文章です。一方、執筆サンプルとして読んでもらうのは、その作品の記事本文です。両方を見せると、制作意図だけでなく、文章の読みやすさや説明の順序まで確認してもらえます。
読書会の記事なら、冒頭を「初めての読書会で、何を話せばよいか迷っていませんか」と始め、続けて「印象に残った場面と、そこが気になった理由を一つずつメモしておきましょう」と提案する書き方が考えられます。読者の不安に触れた直後に、準備することを具体的に示す流れです。
その先では、主催者の案内で対象の本や進め方を確認し、気になった場面を選ぶ手順を説明します。メモの内容まで迷いそうなら、「主人公が友人に本音を伝えた場面が印象に残った。自分ならどう伝えるだろうと考えた」という短い例を添えます。当日は場面と気になった理由を順に話せばよい、と結べば、読者が次にすることまで伝えられます。
このような本文があると、紹介文に書いた「準備する順番に沿って読めるようにした」という工夫を、文章そのものでも確かめてもらえます。自分のポートフォリオには、自分で書いた記事の冒頭や一節を掲載し、「記事全文を読む」というリンクで完成した記事へ案内しましょう。
受注記事を載せる場合は、共同制作か、どの工程を担当したかも説明します。執筆のみを担当した記事を、企画からすべて制作したように見せないことが大切です。
自己紹介の例文は、得意分野と依頼できることをつなげる
自己紹介では「初心者ですが頑張ります」で終わらず、これまでの経験を、書く題材と相談してほしい仕事につなげます。名前や活動名に続けて、どんな仕事や活動を経験してきたかを短く伝えましょう。
接客経験をもとに生活分野の記事を書いている人なら、「接客の仕事で、お客様に分かりやすく説明することを大切にしてきました。現在は、その経験を生かして暮らしに関する記事を制作しています」と紹介できます。自分が経験したことを選ぶと、書きたい分野との接点が伝わります。
次に、ページ内で読める作品を案内します。「生活分野の自主制作記事を掲載しています。構成が決まっている記事の執筆についてご相談いただけます」と添えれば、サンプルと依頼できる作業がつながります。構成作成なども対応できる場合は、その範囲に合わせて書き換えてください。
最後に「ご相談の際は、記事のテーマ、掲載先、希望する作業範囲、希望納期をお知らせください」と案内します。最初の連絡に必要な情報が分かれば、依頼する側も相談を始めやすくなります。
専門家としての資格や実務経験が必要な領域では、学習中の知識を資格・経験があるように表現しないようにします。自己紹介全体の組み立ては、ポートフォリオの自己紹介の書き方と例文で詳しく紹介しています。
無料のプロフィールページに、記事と自己紹介をまとめる
執筆サンプルの置き場所が決まったら、自己紹介、経歴、記事へのリンクを一つのページに整理します。記事が複数の場所にあっても、応募先にはプロフィールのURLから案内できます。
プロフシグナルは、自己紹介・経歴・スキル・実績・WebサイトやSNSのリンクをまとめられるプロフィール作成サービスです。基本のプロフィール作成・公開・更新は無料で、公開後も同じURLの内容を更新できます。執筆サンプルの本文は公開先で読めるようにし、プロフィールには紹介文とリンクをまとめる使い方ができます。
ページの見え方は、運営事務局の公開プロフィールで確認できます。ライターの受注事例ではなく、情報の配置を確認するための表示例です。
登録ではメールアドレス、パスワード、その確認入力と、利用規約・プライバシーポリシーへの同意が必要です。メール確認後にプロフィールを作成します。登録しただけでは公開されず、下書きから準備できます。ログイン用メールアドレスも公開されません。
基本機能の利用料とは別に、通信や外部サービスの利用にかかる費用は各自の条件によります。最新の無料範囲はプロフシグナルの公式案内で確認できます。
応募前に、公開範囲とリンクを確かめる
共有前には、見てもらいたい記事にたどり着けることと、公開してよい情報だけが載っていることを確認します。
- 執筆サンプルのリンクを、ログアウトした状態で開く。
- 受注記事は、掲載の可否と紹介してよい担当範囲を確認する。
- 自主制作と受注実績を、読者が区別できる表記にする。
- 個人の住所、私用の連絡先、取引先の非公開情報が混ざっていないか読む。
- 自分のスマートフォンで、本文とリンクを確認する。
公開許可がない記事を、タイトルや顧客名だけ変えて転載するのは避けましょう。紹介できる内容に迷う場合は、実績を公開できないときの書き方を参考に、公開可能な範囲を整理してください。
応募メッセージには、URLだけでなく「生活分野の自主制作記事を掲載しています。構成と執筆を担当しました」のように、確認してほしい箇所を一言添えます。応募先の指定形式がある場合は、その案内に合わせましょう。
Webライターのポートフォリオでよくある質問
自分のブログの記事も載せられますか?
自分が書き、公開してよい記事なら、執筆サンプルとして紹介できます。自主運営のブログであることと、企画・執筆・編集などの担当範囲を添えてください。アクセス数を載せる場合は、確認できる数値と集計期間を示します。数値がなくても、記事の目的や内容は説明できます。
何本そろえてから応募すればよいですか?
すべての応募先に共通する必要本数はありません。募集要項に指定があれば従い、指定がなければ、依頼内容に近い完成記事を選びます。数を増やすために未完成の記事を並べるより、読める状態か、担当範囲が分かるかを確認しましょう。
AIを使って作った記事を掲載してもよいですか?
掲載先・応募先のルールと、使用した素材や文章の権利を確認してください。AIを使った場合も、事実、出典、文章の整合性は自分で確かめます。生成や編集に使った範囲を説明できるようにし、自分が行っていない取材や体験を加えないことが大切です。
最初の一記事を、応募先が読める形に
ポートフォリオは、経歴を立派に見せるためのものではありません。自分が書いた文章と、その文章で考えたことを、依頼する人が確かめられるページです。
まずは一つの記事を仕上げ、紹介文と自己紹介を添えてみてください。書ける題材や対応できる作業が増えたら、少しずつ更新していけます。