メディアキットは、
協業を検討するための活動紹介
企業の担当者から「活動内容が分かる資料を送ってください」と連絡が来た。SNSのURLだけでは、どの投稿を見てもらえばよいか迷う。かといって、これまでの投稿を全部並べると長すぎる。メディアキットは、そんなときに、自分の発信と相手の企画の接点を説明するために使えます。
この記事では、動画・SNS・ブログなどで活動するクリエイターが、企業とのコラボレーションや制作相談のために渡す資料を扱います。報道機関向けに会社情報や画像素材をまとめるプレスキットとは、読み手と目的が異なります。取材で掲載される人物紹介を求められた場合は、取材用プロフィールの書き方が適しています。
作品集では表現や制作の質を見てもらい、メディアキットでは発信のテーマ、どのような人に見られているか、何を一緒にできるかを確認してもらいます。作品へのリンクを使っても、資料全体を作品画像だけで埋めず、今回の判断に必要な説明を残しましょう。
メディアキットに載せる
6項目とテンプレート
最初は、誰の資料か、何を発信し、何を相談できるかをひと通り読める構成にします。相手から書式や質問を指定されている場合は、その指定を優先してください。資料の見栄えを整える前に、次の項目を自分の言葉で埋めてみましょう。
メディアキットの記入欄
活動名・資料の更新日: 発信テーマを一文で: 主な活動場所と公開URL: 届けたい読者・視聴者: 分析で確認できる視聴者情報(取得日・出典): 主な指標(指標名・値・対象・期間・出典): 代表コンテンツ(URL・内容・本人の担当): 企業との協業実績/自主制作の区別: 対応できる制作・投稿の範囲: 個別に相談する条件: 仕事の連絡先: 詳しい経歴・活動プロフィールのURL:
- 活動者とテーマ:活動名、短い紹介、発信分野、主なSNS・チャンネルを書く。
- 読者・視聴者:どんな人へ向けた発信かを説明し、分析で確認できる属性とは区別する。
- 活動の指標:今回の相談に関係する数値を、対象・期間・出典と一緒に示す。
- 代表コンテンツ:関連する投稿や作品を選び、目的と自分の担当を添える。
- 対応できる内容:制作物、担当工程、投稿の有無、相談したい条件を示す。
- 連絡先と更新日:確認できる仕事用窓口、資料の作成・更新日を載せる。
数字は、対象・期間・出典までを
一組にする
「再生数が多い」とだけ書いても、どの投稿をいつ集計した値か分かりません。指標名、値、対象、集計期間または確認日、出典を一緒に記します。管理画面の数値を使う場合は、その画面に表示された指標名を保ち、別の意味の数字へ言い換えないようにします。
以下は書き方を示す架空の数値例で、成果の目安ではありません。「平均」を使う場合は計算対象も残します。伸びた投稿だけを選んだ値を、チャンネル全体の平均のように見せないことが大切です。
横にスクロールして表の続きを確認できます
| 曖昧な書き方 | 条件を添えた記入例 | 確認すること |
|---|---|---|
| フォロワー1,200人 | Aアカウント:1,200人/2026年9月1日時点/アカウント管理画面 | どのアカウントの、いつの値か |
| 平均再生数3,200回 | Aアカウントで8月に公開した動画10本の平均:3,200回/9月1日取得/各投稿の分析画面 | 対象投稿と本数、取得日、算出方法 |
| 30代向けの発信 | 30代の暮らしを想定して企画。実際の年齢構成は未確認 | 届けたい相手と測定できた属性の違い |
発信テーマと相談できる内容が
つながる記入例
次は、地域の店を紹介する動画制作者を想定した架空の例です。企業案件がない段階でも、自主制作を通じて扱ってきた題材と担当工程を説明できます。協業実績がある場合も、相手先や制作物を掲載してよい範囲を確認し、自分の役割を示してください。
地域紹介動画の記入例
活動名:まちの記録室(記入例) 発信テーマ:地域の小さな店で働く人と、ものづくりの工程を短い動画で紹介しています。 届けたい相手:店の背景を知ってから訪れたい人へ向けて企画しています。視聴者属性は、確認できる分析データを別欄に記載します。 代表コンテンツ:自主制作「工房の一日」/企画・撮影・編集を担当/[公開URL] 対応できること:店舗紹介動画の企画、撮影、編集。自身のチャンネルへの投稿は、内容と時期を個別に相談します。 協業実績:企業との有償案件は未経験。上記は自主制作です。 相談時に確認したいこと:伝えたい内容、撮影場所、希望時期、納品形式、動画の利用先。 詳しい活動歴:[プロフィールの公開URL] 連絡先:[仕事用メールアドレス] 更新日:[実際に見直した日付]
メディアキットの作成で
迷いやすいこと
フォロワーが少なくても作れますか?
自分の活動をまとめる資料は、現在の規模で作れます。企業ごとの募集条件は別途確認してください。数を大きく見せるより、テーマ、代表作、実際に担当できる内容を示します。閲覧者の属性が分からない場合は、想定読者を実測値のように書かないことも大切です。
何ページにまとめればよいですか?
ページ数の指定がなければ、最初の一ページで活動テーマ・代表作・対応内容・連絡先が分かるようにします。詳しい実績や数値は必要な分だけ続けます。小さい文字で一枚に押し込まず、スマートフォンでも読める文字の大きさを優先してください。
料金は載せたほうがよいですか?
対応内容を一定の条件で説明できるなら、目安とその前提を載せる方法があります。企画ごとに変わる場合は、見積もりに必要な情報を案内します。制作だけか投稿も含むか、納品形式や利用先などを分け、条件の違う仕事を同じ料金として扱わないようにします。
メディアキットとプロフィールは両方必要ですか?
相手が必要な情報を既存のページで確認できるなら、資料を増やすこと自体を目的にしなくて構いません。協業の判断に必要な数値や対応条件はメディアキット、経歴や活動全体はプロフィールという形で分けると、用途ごとの情報を整理できます。
送る前に、相手が判断できるかを
確認する
冒頭の「活動内容が分かる資料を」という依頼に戻りましょう。SNSのURLを並べるだけでなく、何を発信し、その企画で何を担当できるかが分かれば、相手が確認する順番を作れます。最後に、資料からプロフィール、代表作まで続けて読んでみてください。
- 活動テーマと、相談を受けたい仕事の内容がつながっている。
- 数値の対象・期間・確認日・出典を確認した。
- 想定する読者像と、測定できた視聴者情報を分けた。
- 代表作の担当工程を示し、協業実績と自主制作を区別した。
- 公開する情報と、個別に渡す資料の共有範囲を確認した。
- リンク・仕事用の連絡先が使え、スマートフォンでも読める。